イライラ抑える

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イライラを抑える にはどうしたらいい?イライラへの対処法をご紹介

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更新日

 
執筆:須賀 香穂里(ライター)
 
 
気に入らないことや不快な出来事があったとき、人間はだれしもイライラとした感情を抱えます。
 
イライラは怒りに繋がりやすく、イライラに任せて行動すると人間関係にも影響を及ぼしかねません。それではイライラや怒りの感情と上手に付き合って、抑えていくにはどうしたらよいのでしょうか。
 
ここでは「 イライラを抑える 」ことについて考えていきましょう。
 
 

そのイライラの原因は?

 

イライラを自覚する

 
イライラを抑える第一歩は、自分がイライラしている状態であることを自覚することです。
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会による調査によれば、イライラの自覚がない人は調査対象者449人のうち10%に上るそうです(2)。
 
イライラが募っているのに自覚がないと、知らないうちにさらにイライラが溜まり、ふとしたきっかけで大爆発を起こすことがあります(2)。
イライラしていると、普段は怒らないような些細なことでも怒りスイッチになります。またイライラしたり、怒ったりするのは意外と体力を使います。

 

イライラに気づくことで、不要なイライラや怒りを増やさずに済みます(2)。
 
 

怒りの「引き金」はどこにある?

 
怒りはいつも何らかのきっかけで引き起こされます。そしてそのきっかけというのは、「あなたの考え」であると言えます(3)。

 

例えば、「あなたは背が低いね」と言われたとします。
あなたが背が低いことをとても気にしていたら、相手が本当は「小さくて可愛らしいね」という意味で言っていたのだとしても、イラッとしたり、怒りを感じるかもしれません。
 
しかし一方で、背が低いということを自分のアイデンティティとして受け入れていて気にしていなければ、怒りなど感じずに「そうなんだー」と聞き流せる人もいるでしょう。
 
「背が低いね」という言葉に対して怒りスイッチが入ってしまうのは、あなた自身が「背が低いのは嫌だ」とネガティブな考えを持っているからなのです。
「背が低い=悪いこと・恥ずかしいこと」というある種の思い込みが怒りのきっかけとなります。
 
 

「すべき思考」と「お前が悪い」

 

多くの人の怒りのきっかけとなる「引き金思考」には、主に「すべき思考」と「お前が悪い」の2つがあります。
どういったものか、順に見ていきましょう。
 

「すべき思考」

例えばあなたが、5,6人のグループで作業を行うときのリーダーだとします。
あなたは自分にできることを探し、いろいろな指示を出したり自分で作業をしたりしているのに、グループのメンバーは指示されたこと以上のことはやろうとしません。人手が必要でもいちいち頼まないとやってくれない…
 

こんな状況で、あなたがイライラを感じたとしたら。そのときあなたには「すべき思考」が働いています。
 
というのも、あなたはきっと「同じグループなのだからみんながもっと積極的に、協力して作業を行うべき」「言われなくても自分の仕事を見つけて動くべき」と考えているはずだからです。
 
しかしあなた以外のグループのメンバーは「必要なことは全てきちんとやっている」と考えていて、「わざわざ人の仕事に手を出したりしなくても作業はしっかり進んでいるのだから大丈夫」と思っています。実際に、彼らは自分がやるべきことはしっかりこなしていて、作業自体が滞っているということはありません。
 
ここまで、すでにあなたとメンバーの考え方は違っていますね。「すべき思考」というのは、このように自分が考えているルールや「当たり前」に他人が当てはまらない時に起こるものです。
 
 

「お前が悪い」

あなたはイライラしているときや怒りを感じているとき、「あの人があんなことを言わなければ、こうはならなかったのに」とか「みんなが協力してくれないから、私がこんなに苦しい思いをしている」などと感じたことはありませんか?

 
このように、“あなたが感じている苦痛を他人のせいにする”ことで怒りの引き金とするのが、「お前が悪い」という引き金思考です。
 
このような思考は、他者に否定的なレッテルを貼り、あなたの中で「あの人は作業が雑で怠惰な人だ」というような否定的な認識が固定されてしまいます。
一度固定された認識はなかなか覆すのは難しく、相手が何をしてもイライラしてしまうようになります。
 
 

思考をどう変える?

 
ここであなたがイライラしたり、怒りを感じた時のことを思い出してみましょう。
「すべき思考」や「お前が悪い」にとらわれていませんか? イライラを抑えるには、これらの引き金思考を変えていく必要があります(3)。
 
まずはイライラを感じた時に、感情のままに振る舞うより前に、まずは相手の立場に立って考えてみましょう(3)。「すべき思考」「お前が悪い」にとらわれてしまっている人は、その思い込みにがんじがらめになって自分の意見ばかりに固執してしまいがちです。
 
長年染みついた引き金思考を変えるのは一筋縄ではいきませんが、その人の行動には何の意味があるのか、どういう考えでその行動をしているのかを考える癖をつけることで客観的な思考を身に着ければ、イライラを抑えることに繋がります。
 
 

「対処思考」で怒りをコントロール

 
イライラや怒りを感じた時、頭の中で自分を落ち着かせるようなことを考えるのが「対処思考」です。
以下に、種類ごとの対処思考を書き出しました。よく読んでみてください。そして自分にとって役立ちそうな対処思考を、覚えておくと良いでしょう。
 
そして実際にイライラするような場面に立ち会ったときに実践します。うまく自分を落ち着けられる思考を見つけられれば、イライラをうまく抑えるのに役立ちます。
 

課題に取り組むとき


 私ならこれをやり通せる
 相手の視点を認めよう
 責めてもしょうがない。新しい作戦をやってみよう
 「私は~したい」という言い方を使うようにしよう
 自分にも相手にもうまくいく方法を考えてみよう
 私の意見を聞いてもらうにはどうすればいい?
 
 

怒りを感じる事態への対処


 腹を立てたって何にもならない
 私は落ち着いている
 この人の言うことでイライラなんかしない
 落ち着いて。皮肉を言わない。攻撃しない
 感情的にならないようにしよう
 少し頭を冷やしてから考えよう
 私ならなんとかできる
 腹をたてるよりリラックスしたほうがマシ
 腹を立てたって損しかない。だって…(怒りによって起こる不利益を考える)
 声を落ち着けて、大きく深呼吸。
 
 

怒っている人への対処


 馬鹿な真似をさせて物笑いにさせておこう
 多分私に腹を立ててほしいんだろう。じゃあ怒らないでやろう
 この人に私のことをわかってもらう必要なんてない
 誰も間違っていない。ただニーズが違うだけ
 怒っても事態が悪くなるだけだ
 ちょっと面倒くさいだけだ。これくらいなら対処できる
 
 

すぐにできる! イライラを抑える 方法

 
思考を変えたり、対処思考での対応は慣れるのに少し時間がかかるかもしれません。
けれどイライラするような事態は、いつどこで起こるのかわかりませんよね。そこで突発的な事態にも使える、簡単なイライラ抑制法をご紹介します。
 

6つ数える・深呼吸する


イラッとしたら、衝動的に言葉を発してしまう前にゆっくり6つ数えましょう。
怒りは爆発的な感情なので、6秒という短い時間しか持たないそうです。6秒数えている間は、イラッとした事態から気をそらして何も考えないようにしましょう。

 

また深呼吸をすることで身体に酸素を取り込み、身体をリラックスさせることで頭を冷やすのもいい方法です。
 

ツボを押す・爪もみをする


イライラに効くツボに、「労宮」や「神門」などがあります。これらのツボを痛気持ちいいくらいの力で1~2分ほど数回押してみるというイライラ抑制法もあります(5)。
 
・労宮:掌のほぼ真ん中。頭脳線上のほぼ中央。
・神門:小指側にある手首の関節でくぼんでいる箇所。
・頭のてっぺん。耳と鼻の延長戦が交わる場所。
 
また「もみ」という方法で神経系を整えてイライラを抑える方法があります。やり方は以下の通りです(5)。
 
1. 一方の爪の生えぎわを、もう一方の手の親指と人差し指で両側からつまんで揉む。
2. 両手の親指から小指まで指ごとに10秒ずつ刺激する。(少し痛いと感じるくらいがちょうど良い)
3. 1日に2~3回行う。
 
ツボ押しや爪もみはやりすぎるとあまりよくないので注意しましょう。
 
 

リフレッシュできるアロマを使う


自分の好きな香りのコロンやアロマを使うのもおすすめです。
家だけでなく、ハンカチにしみこませたり匂い袋にすれば外でも使うことができます。特にイライラしたときに効果があると言われているアロマは以下の通りです。
 
・ カモミール
・ ラベンダー
・ レモングラス
・ ローズマリー
・ ベルガモット
・ グレープフルーツ
・ ローズウッド
 など
 
 

「 イライラを抑える 」 自分に合った方法を探そう

 

いかがでしたか? イライラを抑える方法は他にもいろいろあります。
大きな声で歌ったり、趣味に没頭するなど、いわゆる「ストレス発散」もイライラを抑えて怒りをやり過ごすのにいいですね。
 
イライラを抑えるには自分に合った方法を見つけるのが一番です。いろいろな方法を試してみて、自分に一番効果的な方法を見つけましょう。
 
※職場におけるストレスマネジメントについて説明した以下の動画もご参考にしてください。

 
【参考文献】
(2) Powerful Manegement http://www.at-ml.jp/10804386/2015/06/03/%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%82%a4%e3%83%a9%e3%82%92%e8%87%aa%e8%a6%9a%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%84%e3%81%aa%e3%81%84%e6%96%b9%e3%81%af%ef%bc%91%ef%bc%90%e5%89%b2%e7%a8%8b%e5%ba%a6%ef%bc%88%e4%b8%80%e7%a4%be/#!
(3) Matthew McKay (Haight-Ashbury Psychological Services 臨床部長), Peter D. Rogers (Haight-Ashbury Psychological Services 理事) & Judith McKay(Alta Bates Cancer Center 外来医療腫瘍学プログラム・看護師)(2011). 怒りのセルフコントロール 感情への気づきから効果的コミュニケーションスキルまで 明石書店 pp.123-144,181-186
(4) 女性の美学 http://josei-bigaku.jp/ikariwoosaeru98322/
(5) らふらぐ http://laugh-raku.com/archives/1045

 
 
<執筆者プロフィール>
須賀 香穂里(すが・かほり)
神奈川大学人間科学部・人間科学科所属。社会心理学や人間関係をテーマとした執筆活動を行っている
 
 

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